ついに。
12/18(日) 最終回「報いの時」
昨日の放送見ての感想殴り書きメモ。長くなった。
承久の乱 あっという間に、というほとでもなくそれなりに描かれていた。三浦がどう動くのか、相変わらず平六の日和見っぷりとか、平六の方がジジイ扱いされててキレてたりして笑った。平六は見た目もずっとあえて変えていないんだけれど、間違いなく爺になってるよねえ。
最終回。そうだった。最初から見てきた主人公たちは老いて、死を迎える時だった。
太郎、泰時はひかりで未来を生きるものというのがこれまでもあったけれど、さらにくっきりと示されました。
戦に行くのに、とりあえず18人で行くって、見てて、えええ~~って言っちゃった。頼朝さまは24人だった、だっけ。で、まあ、道々その辺の武士たち集めていくんだよねえ。
見る間に軍勢19万人ってなってて、マジか~~と思っちゃった。鎌倉殿のドラマをみてると、御所で主要メンバーが喧々諤々やってるな~って感じだけど、そーでした。全国の武家の頭領だったのだ。それなりにちゃんとみんなしたがってくるんだね。
戦に行く太郎の無事を祈るしかない、鎌倉の家族。家族なんだよなあ。
政子たちが祈祷してるのは真剣みありつつもちょっと笑っちゃう気もしたけど、小四郎が、あの神仏なんてどうでもいいみたいに言ってた小四郎が、あの小さな仏を握り手を合わせて祈るの、ぐっときました。自分一人が死ねばいいと思っていたのに大戦になったこと。そこに大事な息子を送り出すこと。自分は安全な鎌倉にこもっているしかないこと。
祈るしかない;;;;
宇治川を渡るにはどうすれば。ってことで筏を作れ~ってことになり。人が押していくのか、とびっくりでした。で、川に入る兵士は鎧を脱いでいくしかないと。矢で死ぬだろう。ってのを決断する太郎、ちゃんと大将だった;;
そして鶴丸が、矢を受けて、でもお前はいけーってやってたの、友情~~~。ベタな~~~っ。
私もてっきり死んだと思ったよ。
八重さんがずっと、太郎の事も鶴丸の事も守っているんだなあ。
小四郎がキモイくらいに八重さん大好きで、大好きで大好きで大好きなのを、視聴者たる私たちはわかっているので、ついでに未来もわかっているので、太郎がどんなに大事か自明なのだけれども、そういうの知らないわかんないのえさんが、自分こそ、自分の息子こそ、と自負しているの、それなのに小四郎にないがしろにされているの、恨みに思うのもわかる……。
かといって毒ですかーっ。
毒、とバレるときのあの辺の感じ凄かった。小四郎小栗旬も、のえ菊地凛子もかけあいの絶妙さ、たまんなかったです。痺れる~。毒、と言われて微妙に手が震えてしまう。あら、って明るくいって、あらバレちゃった、っていって。その後のどっと重い声も素晴らしかった。小四郎も心底冷え切った、憎むことさえメンドウって感じがホント冷たい。
で、最後に、毒を用意してくれたのは平六どのですよ、頼りになるお方、ってバラしていくんだよねえ。のえ。ほんと。小四郎が憎かったんだな。まあ殺そうとしてるわけだし。大好きな姉上に看取ってもらえ、と言ったのも。のえには北条家が憎かったんだよなあ。酷いことだけど、ちょっとわかるとも思う。のえ。さようなら……。
で、さー。
その毒を毒と知っているだろうと、平六と差し向かいで飲む小四郎よ。飲まないことでバレてるな~ってなる平六よ。
でも、ついには盃をとる平六。
あれはなんだろうな。
バレているのがわかって、逃げ切れないというか、逃げても仕方ない、戦になるとか殺されるとか、それなら自分で毒を飲んでもいいとなるの、なんかわかるんだよな。小四郎と平六、これまでずっと戦の世を生き延びてきたからなあ。
毒だと思ってたけど毒じゃねーよとバラされて、あれほんとだ、ってけろっとする平六もオモシロすぎるでしょ。ここで笑うシーンはさんでくるのずるいw
平六が、隙あらば裏切りをするというのも本当だし、北条を支えてきたというのも本当で。
平六、小四郎が自分より不器用でダメな奴なのに執権なのが気に喰わないという嫉妬も本当だろうし、でもこれまで共に生きてきた幼馴染で友達っていうのも本当だろうと思う。人のこころは一つじゃないって思うんだよな。平六、ほんといいキャラだったなあ。
あと、おなごはキノコが好き、ってデマを吹き込んだの平六だったのね。そんなどうでもいい冗談を真に受けて信じ切っていた小四郎、アホ。アホカワイイ。もっと早く言ってほしかった~の小四郎小栗旬めっちゃ良かった。
でもさ~。
笑っちゃったけど、その、おなごはキノコが好きの思い込み、八重さんとかひなちゃんにも、いやべつにそうでもないけど? って微妙な反応されてたし、のえだけが喜んで見せて、その喜ばれたことが嬉しくて結婚した小四郎、ほんともっと早くにわかっていればーっての、その遠い要因、平六だったのかよっていうの、なかなか残酷っすね。
ちょっとした笑いのシーンからも、うわなんか、でもそれって、と、いろいろ深読みしてしまえるの、こわいし上手いし。長く長く描かれてくる大河ドラマならでは。そして昔書いたちょっとしたことを、終盤いろいろ使えるぞと使ってくることができるの、凄いうまい。三谷幸喜……。ほんっとベテランですな。
そんなこんなで、毒のせい? 年のせいとかなんかまあいろいろなんでしょう、病に伏せる小四郎。
運慶に頼んだ自分の似姿の仏像は怪物のようだった。それがよく似ていると運慶に笑って突き付けられた。
お見舞いにきた政子もそれを見て、でもまあ、みたいなところだったけれども、縁側でなんとなくしんみりとこれまでの人生振り返って語っているところで、頼家もほんとは小四郎が殺させたのだと知ってしまうことになって。
昔の事です、とはいえ、やはり母である政子。
そして、家族であり大事な支えであり、ともに鎌倉を守ってきた弟、小四郎を改めて見て。
さらにまだやらねばならないことがあるのです、と、暗殺を企む小四郎をみて。この子を怪物にしてしまった、と、政子は泣いたのだと思う。
太郎は八重さんに似ていて賢くていい子、という二人。でも、太郎はあなたに似てるのよ、と言う政子。
視聴者たるわたしたちもわかる。太郎は、若い頃の小四郎にそっくりだよ。似てるよ。いい子なんだよ。政子と一緒に泣きました。太郎の未来を輝かせるために、自分が全ての恨み、業を背負って地獄へ行くという小四郎。そんなにしなくても、もう、太郎は立派により良い世を作って行ってくれるよ。
体がつらい、きつい、動けない、というのを治す薬、というけれど、あの時代、そんな魔法みたいな薬があるだろうか? 気休め? これを飲めば大丈夫って思い込ませるための薬? いっそひとおもいに死ねる毒薬? わからない。
政子がもう小四郎、死になさいと薬を零してしまうの、それを這ってでも舐めようとするの、でもまたそれを袖で拭いて舐めさせないの。政子と小四郎。互いに苦しく、涙の最期だった。
政子と小四郎に始まる物語だった。小四郎にご苦労様でしたと泣いた政子。政子が頼朝と添い遂げて。小四郎はその二人を支え続けて。怪物になった小四郎を解放してあげた、けれど苦しませて死なせてしまった、政子。尼御台にとっても、これが最後の仕事だったかなあ……。
小四郎の死で暗転。すすり泣く政子の嗚咽だけをバックにスタッフロール。「完」。
こんなラスト、みたことないっていう最終回ですよみたいにさんざんに煽られてきましたが、本当に、こんな最後見たことないドラマだった。
一応さ、主人公とかの死の後、とかでも、その何年後に政子も没するとか、太郎がどうしたとか、少しは後の世とかを語るものじゃないかなあと思ってた。
小四郎がしてきたことを思うと、安らかな死でいいのだろうかと思うみたいに三谷さんが語ってたのを聞いてはいても、あんなに苦しんだ顔の、無残に這った姿のままの死というのは、辛かった。太郎という希望と救いがあるけれど。けれど。けれど。
本当に本当に、見ごたえある大河ドラマを楽しませてもらいました。
私がぐぐっとハマったのは上総介の頃からだった。それぞれの人物の魅力を堪能しました。武士の世をつくるという困難、時代も存分に味わいました。決まりを作ってみんなで守ろうってどんなに大事なことが、心底わかりました;;
社会の決まりは大事;; すぐぶっ殺すとか暗殺とかしちゃいけないよ;;;;
最終回冒頭、松本潤演じる家康くんが、吾妻鏡を楽しみにわくわく読んでいるっていうシーンだった。すげ~。何この最終回なのに余裕の始まり~って思ったわ。んでもこの大河を終えて、幕府つくったとろこで、その継承ってどんなにタイヘンか、わかったところで来年から家康かあ。江戸幕府があんなに長期続いたの、その仕組みなんとかしたの、家康、どうするっていうかどうしたんだよと、家康の化け物っぷりも感じ入りながら来年見ることになるのかと思いました。すげえっすね。
Twitterとか見て、キャストの声が聞けたのもすごく良かったし。三谷さんが出たがりでインタビューや特番あったのも良かったし。すごくいい現場で、みんなが楽しく真剣に創り上げているのだと感じられて良かった。
インタビューやインスタ、Twitter、消えていっちゃうの寂しいけど。NHK内部ではアーカイブずっと残してるかしら。またいつかしみじみするかなあ。でも思い出でいいかなあ。楽しんだ思い出をありがとう。
この頃、映画やらドラマやら、なんかキツイことあると作品も安心して楽しめないじゃん……。まあもちろん実際何がどうとかただの観客である私にはわかりません。でも。キャストの声、インタビューをこんなに出してきてくれるの、その話しぶりとかでやっぱり感じられるものあるよね。私は今回とても信頼して見ました。よかった。ありがとう。
ありがとう。面白かったです。