蛙の目借時

なんとなくなんでもなく

ごきげんよう

「らんまん」好きかも。


 四月から始まった朝ドラ「らんまん」見てます!

このメインビジュアルとってもいい。好き。



 ここしばらく、なんか朝ドラ見てるの疲れるとか思ってたのですが、Twitterでネガティブな言葉見ちゃうせいだよな~Twitterばっか見てる自分のせいじゃんと思い、公式とか多少のあれこれは見つつも、ただ単純に自分が見たいから見るだけ、という風に見てます。いやでもTwitterもまだいっぱい見てるけど。

 で。楽しくハマってますので今んところの思いのたけをダラダラっと書きます。自分の覚書メモなので書き殴り文章で長い長すぎるっす。

 


 主人公は神木隆之介くん演じる槙野万太郎。くんって言っちゃう。子役の頃から見てるし可愛いなあとか見てるし、こんなずっと順調に見える芸歴重ねてるって凄いなと尊敬してる。
 主人公のモデルは牧野富太郎。高知出身の植物学者さんってことで、四国出身の私としてはちょびっとだけ親近感あり。でもご本人のことは良く知らないし、普通にフィクションなドラマとして見ています。

 始まった頃、慶応三年だった。この年を私は正岡子規の生まれた年として記憶してまして。夏目漱石も。なんかこの、好きな年なので、始まった時から、おっ、という気持ちになりました。
 
 朝ドラだけど男性主人公というのはちょっとだけ珍しいかな。でも後に夫婦になるのでヒロインはいる。それに、多分もう主人公ヒロイン一人でしょってたつドラマっていう風にはしていないのだと思う。

 このドラマも、子役時代、メインキャスト三人で描いていくというのが見えた。名門酒屋のお坊ちゃま万太郎と、そのお付きになる竹雄。万太郎の姉の綾。
 すでに父を亡くしてさらに母を亡くした名家の跡取りとして期待を背負うけれど、体が弱くてすぐ寝込んでしまう万太郎。
 坊ちゃまのお世話係を言いつけられる、けれどまだ子ども、番頭の息子として下の身分である竹雄。
 おそらく養子なのかな? そして女の子であるという綾。酒屋のお嬢様で、酒造りに興味あるけど酒蔵には入れない。
 子どもながらそれぞれの立場があり、ままならぬ事情がありということが説明ではなく丁寧に描かれていました。万太郎が母が大好きだった花、というきっかけから、植物を見て見飽きぬ様がよくわかる入口でした。

 二週目には、ちょっと育って学校、学問との出会い。万太郎は、家柄から特別に許されて、武家の子が通う名教館へ行くようになりました。ホントは行きたくないよ~という万太郎の態度。武士の子にいじめられるし。


 ここで、裕福な商人の子である万太郎と、武士が解体されていく、貧しく不安定な武士の子、という、いびつになった身分、階級の違い、変化がわかりました。
 なんか変人な、けど偉い先生との出会いで、学ぶこと、知識を得て広がる世界を知って万太郎は神童になります。興味を持てば集中力抜群。本を読んだり学んだり、し放題の環境で、辞書を引いて英語も習得していきます。

 そんな万太郎にとって、小学校という制度が出来て、ハイ小学生として、いろはを唱えてみんなで学びましょうっていうカリキュラムが、つまらないっていうのは当然。教室に飾られた博物図みたいなので、植物の図があるのを勝手に描き写した以外は、学ぶものはないのでやめます、と、小学校辞めちゃったのもまあ、ですよねーという感じにわかりやすく描かれていました。

 

 綾は、でも、小学校に行きましょうという制度のおかげで、学ぶことができました。峰屋のお嬢様だもんね。
 酒造りの本、というかお家の秘伝書みたいなの? を、こっそり読んでて、おばあ様に叱られてた綾。多分読み書き、出来てたんだろうけど、学校へ行くというのは家の外との出会いであったと思うし、学ぶのが楽しいって感じだったんじゃないかなあ。綾の学校生活のことは出てこなかったけど、綾の好奇心とかしっかりあるのはわかるので、学校行けて良かったねと思う。

 

 竹雄は、いえ、私は、という遠慮? で学校には行かなかった。学校へ行くってみんな平等にってな建前はあったと思うけど、やっぱりもう店の仕事をやらねばという風に竹雄は考えるんだろうなあ。行きたいと言えば、多分峰屋は行かせてくれそうだけど、でも竹雄も多分もうあの頃には読み書きそろばんとかは周りの大人が教えててそれなりに出来てそうだから、小学校でいろはを唱えるみたいなのは意義を見出せなかったのかも。

 

 この、万太郎が生きた時代というのがいろいろ狭間だったんだなあと思う。
 自分の学びとしてはすでに藩校でそのへんの大人顔負けにできる。制度として国民への教育みたいなのが始まったけれど、そのことがまだ地方の実感としてはよくわからない。教員もなんかいまいち。万太郎の方が明らかに賢かった。だから、小学校辞めますってのもあっさり有り、なんだな。
 藩校で友達になりたかった家督を継いだ武士の子くんは東京のおじさんのところで書生になってという別れがあった。彼は帝大に行くのかしら。

 子規さんも中学とか辞めたっつーか予備門へいって帝大へって、地元の教育はかっ飛ばしていった、気がする。でも万太郎よりちょっと下の年齢だから、あ~学校ってのがありますねというのは認識広がってたんだろうなあ。

 
 そして三週目、今週は、当主としての自覚は足りない、昼行燈なお坊ちゃま万太郎くんが、博覧会というのがあるという話に峰屋の酒を出しましょう! と、始めて東京へ行くお話でした。

 かつて植物図を描きうつした、その作者である先生が東京にいるから、一目お会いしたい、という自分の願望を叶えるチャンス―! でもおばあ様には峰屋の酒のためと上手い事まくしたてて、さすが賢いですお坊ちゃま、でした。

博覧会シーン楽しかった。これは撮影中オフショットらしい。


 東京だー! と浮かれ、はしゃぎ。憧れの先生にも会いに行けた。植物分類学というものがあることを知り、自分がやりたいのはこれだったんだ! と、わかってしまった。
 ずっと独りで植物を見て、本を見て、不思議じゃのう、って思ってたこと。それは峰屋の当主は草が好きな変わり者、困った遊びにうつつをぬかしてと軽んじられてきたのだけれど、東京で、植物を集め分類し名前をつけて世界に知らしめることができる、そういう学問があると、知ってしまった。そういうことも大事だと、わかってしまった。


 付き添ってきた竹雄は不安な顔を見せる。
 若、と呼んで、万太郎の側にずっといたから、万太郎の喜びがひしひしとわかる。わかるだけに、不安で辛くなるの。
 竹雄は峰屋の番頭の息子として、若にお仕えしているという立場を忘れた事はない。ずっとわきまえて、若の困った行動の数々に振り回されながらも、若にお仕えする役目だから、峰屋にお仕えする身だから、と、本心を言ったことはなかった。

 綾さまのことが好きなのかねえ、というのが描かれてたけれど、それでどうこうしようとかなかった。自分はお仕えする身だから。

 

 でも今日さ~~~~~。ついに竹雄が、自分個人の思いを吐いたんだよね~~~~~~~~~~~~っ。
 今までもいろいろ、若、ちゃんとしてくださいってな苦言は呈してきたけれど。
 今日は、当主にお仕えしてるんだけど、でもあなたにだから、こんなに心がぐちゃぐちゃになってしまうのだと、言ったよ。よく言えました。万太郎個人との繋がり、思いが、自分の心をかき乱す。綾への自分の思いが体を熱くする。竹雄、個人の自分自身の思いがあるということをやっと言えた。

 万太郎と竹雄は、始まる前の宣伝の頃から、お坊ちゃまとお目付け役の仲良しバディか~これはBL狙いだなって思ってましたわ。神木くんと志尊淳ですよ。狙ってないわけないじゃーん。わかってる。わかってたけど、こういう風に見せられると、ほんっと、はい。素晴らしくステキでした。

 

 峰屋や自分たちを捨てるんですかと言われた万太郎が、そんなことない、と言う。竹雄がいう事、ちゃんとわかってる。わかってる。ちゃんとした当主じゃなくてごめんって思ってる。竹雄が大事だから、竹雄に草の遊びとか言われたくないし辛い。

 

 万太郎、ちびっこで寝込んでばかりの頃、いっそ産まれてこなければよかったのにと分家の人に陰口言われてたの聞いてたんだよねえ。そんなわけないと、母にしっかり愛されてわかってるけど、やっぱりどっかにその影は残っている。
 それに、下戸だって。
 酒屋の当主が酒を飲めないの、辛いよねえ。酒の味をわかるとか以前の問題で。それは体質でどうしようもないことだけれど、自分自身をふがいなく思ってしまうよな。

 峰屋の番頭さんたちとか、まあ困った坊ちゃまだと思いつつ愛情はありそうだけど、でも当主が昼行燈で困るって思ってるのは万太郎本人も気づいている。
 今はけっこう元気そうになっているけれど、体の弱い男の子だったこと。おばあちゃんは孫に甘いけど、でもほんとに小さい頃からお前は当主なのだと厳しく言い続けてきたこと。両親は他界。
 友達はいる。けど、植物のことを話せるのは心の友である遠い東京のあったこともない先生だけ。
 お姉ちゃんはしっかり者。で、酒造りに興味持ってる。酒の味もわかる。万太郎は多分その事を気づいている。

 ふがいない当主でごめん、と、周囲のみんなに万太郎は思い続けている。普段は全然そんなこと言わないし、植物に夢中で外を巡ったり本を読んだりしてるの大好きで楽しい!!! のは本当だとしても、こんな奴でごめんって思い、あるんだよなあ。

真摯に向き合った二人。


 
 竹雄に責めらられてわかってる、と、ほんのり目が潤んだ神木くんの顔最高でした。天真爛漫で愛されてる普段のほほんとしたお坊ちゃま。でも、心にある影は深く、それを隠していて、でも、竹雄に言われることはわかっていて。
 しっかりしなくちゃ。
 峰屋がなくては今の自分はないってわかってる
 当主としてやっていかなくちゃ。

 

 東京最後の夜に、真顔に戻った万太郎は、少年期の終りという顔だった。切ないねえ。


 とはいえ。
 博覧会で出会った菓子屋の娘ちゃんに一目ぼれ。で、どうしようもなく離れるけれど、彼女と結婚するんでしょ~って視聴者である私はわかっているので。どうなるのか楽しみ。

出会い。
可愛すぎる。惚れるわ。


 浜辺美波さん、一目ぼれされるのわかりすぎる。
 シン・仮面ライダーの時にもつくづくありえないほと可愛いと思ったけど、朝ドラ時代劇姿でも、そりゃあもう一目ぼれするしかないよねっと納得の可愛さ。すごい。可愛い。東京にはあんな可愛い人が、と言われるわけだー。
 万太郎、お花が綺麗だね可愛いねっていつも眺めているわけで、可愛いもの好きだよね。好きになっちゃうよね。わかる~。この二人の将来がとても楽しみですわあ。


 お姉ちゃんの綾ちゃん。
 酒蔵のいい匂いに惹かれるちびっこだった頃から、多分今、二十歳くらいなのかな? 縁談もいっぱいあるけど、まだお嫁にはいかず。峰屋に尽くしたい自分の思いがあり、おばあ様的にもまだなんとなく手放すのは惜しいみたいな気持ちもありって感じ。
 蔵人にお願いして、新しい峰屋の味をつくったりして、ほんっと、綾ちゃんが跡継ぎになるのが一番でしょ~~~って思う。
 でも、子どもの頃から、綾は、いつかお嫁にいってこの家を出る、と言い聞かせられている。

 これ、私もずっと子どもの頃から言われてたことでさー。百年前も百年たっても女はこういう感じかと、うっ、ときたシーンだった。

お嬢様としてお見合いに行くけれど。オフショットかな。ほんと着物お似合いで可愛いです~^^


 きれいな着物をきて、お見合いにいって。いい人だったけど、相手は40すぎの人で妻に先立たれた後添いに、みたいな。のんびりいい暮らしは出来るのかもしれないけど、そういうの綾ちゃんの性にあわないんだよねえ。それにねえ。後添いねえ。二十歳くらいって当時的にはもう焦れって年なんだろうねえ。都会なら女学校に通っているうちに縁談がまとまって卒業じゃなく中退が良いことみたいな時代だよねえ。ツライ。

 蔵人の幸吉くんと、綾ちゃんは酒造りしていくのかな? 綾も、自分の気持ち、自分の好きなことを追及していく自由が欲しいよ。


 最初の頃の、おばあ様的にも、当主を早くに亡くし、子どもも早くに亡くして当主不在。嫁も早くに亡くしてしまったがゆえの、万太郎に繋ぐまでの、自分が当主としてしっかりしなくてはという気負いが描かれていたので、タイヘンですよねツライですよね、分家に舐められないように気張るのもわかるし、と、おばあ様のことを悪くは思えないんだよねえ。
 万太郎が当主らしくならないの、男親がいないせいだろうかと自分のダメさのように悩んでいたのも見たし。

 

 いろんな、時代だったり仕方のない出来事だったりで描かれて見せられている。
 そして、この、家とか跡継ぎとかしきたりにこだわることが、重苦しい足かせなのだとつくづく感じる。でも年齢重ねてるおばあ様には考えをしきたり通りにやっていって万太郎に継いでもらうしかないという考え、変えるの難しいだろうなあと思う。

 
 時代の急激な変化も、わからないだろうし。わかんないよねえ?
 自分だったら? と思う。江戸の世がずううううっと続いていた後けっこう年とってから、幕府なくなりました、明治です新政府です身分制度ないっすもう殿様とか関係ないっすって言われて、わかる? わかんないと思う。ついていけないよ~ってなると思う。

 でも多分それなりに、江戸だろうがなんだろうが、変人くんが時々現れて好きなことに邁進していくとかは、時代関係なくあったのだと思う。
 人を突き動かすのは好きという気持ち。衝動。好きは人を変える一番大きな力だよね。


 万太郎、あんないいおうちの、自分だってその恩恵を受けているってわけってるおうち、家族の元から、別世界へ突っ走っていくんだよねえ。モデルの人物が植物学者になったのを知っていますから視聴者である私は。万太郎、どうやって出ていくんだろうか。
 竹雄、ただお付きの人としてじゃなく、もう身分なんてとっぱらう時代だと実感して、万太郎とバディになれるのだろうか。東京と高知とに離れるのかな。でも離れても二人はズッ友だよ、って、なれるのだろうか。なって欲しいよ。ホントは万太郎が、草と戯れる遊びっていうような熱心さじゃないって、誰よりもわかっているんだもの。植物学に惹かれていく万太郎の気持を一番にわかっているんだもの。竹雄、綾ちゃんとどうにかなるのかなあ。どうなるのかなあ。竹雄自身の気持ちをもっと生きていいんだって、気づいてくれよー。

いろんな人がいる。みんな自由に生きてくれよ~。


 植物学者として天真爛漫に生きてゆく万太郎。万太郎とその周りの人々を描きながらドラマは、時代を描いている。日本が幕末から明治に開かれて、人が、家やしきたりや役割の中で生きていた時代から、ひとりひとりの個人になる時代を描いていくみたいだなあと思って、わくわくして見ています。
 個人になるのは、ただ役割に従っていればいいラクさを手放すことでもあるけれど。でも、やっぱりしきたりや家に従うんじゃなくて自分の気持ちで生きていけるほうがずっといい。
 たまたま、自分の家や役割が性にあって気に入っている生き方になるならいいよねと思う。合わなければ、仕方ないじゃないか。自由に生きればいいじゃないか。行きたい道を進みたいじゃないか~。

 

二人は仲良し、でいてくれ。実際仲良しらしいオフショットの二人^^ かわいい。

牛鍋美味しかったんだね。うんうん。可愛い^^ オフショットありがとう^^



高知バージョンのメインビジュアルかな。これも可愛いねえ。

 これからも楽しみに見ます。もっと自由をくれ。

 cheerio~☆