蛙の目借時

なんとなくなんでもなく

ごきげんよう

大河、鎌倉殿。因果応報の修善寺……

 

 日曜日は大河ドラマの日~♪

 

 昨日も厳しかったですね;;「鎌倉殿の13人」第33回「修善寺

 

やさぐれて酒を飲むしかない頼家くん、美しいよ;;

 

 なんかもう。ええ。みんな修善寺っつーだけでもうしぬみたいな感じでみてたんですか。私もそうかなーとは思いつつ、やっぱ、あ~~~~嗚呼。

 あとからNHKの公式が吾妻鏡のあれこれとか、ツイッター有識者があれこれとか流してくるのを見て、頼家の最期はもっとなんか悲惨に毒殺兼絞殺みたいなことらしく、うへえ、と思いました。

 でもこのドラマでは、素晴らしくかっこよく戦って果てて、それはすごく良かった。ドラマで史実はともあれ、リスペクトして最期を描くってとってもいいと思う。史実として書き残されているものが真実かどうか確認しようがなく、ドラマはドラマ。後世人々が語り継ぐ、それが歴史だ。

暗殺者、善児と。

 

 頼家くん、大人しく坊主として修業つんでいくなら生きのびさせてもらえたのかなあ。けれど頼朝の子ども、という宿命。いつか誰かに担ぎ出されていたかもしれないし。

 本人も、まだまだ若く、引きずり降ろされた恨み深く、そうなっちゃうか……。北条追討の院宣出してくれとか文を送ったのまんまと見つかってしまい、小四郎ももう決断せざるを得ない。

 

 そこでまた太郎くんが承服できませぬ!って怒るの、眩しくて;;

太郎もだんだんツライ顔するのが多くなってきた。

 まだまっすぐな太郎が修善寺へ向かうのを止めようとしなかった小四郎に、トキューサが、逃がしたいのですか? というの。あれは若い頃の自分だ、と答える小四郎くん。誰かを助け、逃がそうとし、でも敗れ続けてきた小四郎。自分とおなじ轍をふまずうまくやり遂げて欲しい気持ちも、同じ苦さを味わって大人になれの気持も、本心あるんだろうなあ。小四郎……。

 

 癒し枠、和田殿んところで飲みたい、と行ったところで、運慶と再会。運慶に、悪い顔になったな、といわれ、でもいい顔だ、とも言われ。人間として迷いがあると言われる小四郎。まだ、まだ、冷酷になりきれない小四郎。人間だもの……;;

運慶、マジカルキャラでいいなあ。

 いつかお前に仏を彫ってやりたいな、って言われてて、いつか救いがあるのかと思う。いつか、救われてくれ……。でもそれは死んだ後でしかありえないのかもしれないけれど;;

 

父、時政も厄介な感じに。りくのせいだけどさ~。でも父上もさ~~。もっとちゃんとさ~~~もううう;;

 

 都の方からのちょっかいもヤバイっすね。

後鳥羽上皇源仲章

 実衣ちゃんが、自分こそと政子を退けて、実朝に和歌を教えたいというの断ってからの、宮廷では和歌も使えなくてはと新たな教えを仲章に乞うのが辛い。実衣ちゃん、そんな男をとりたてようとするのはやめなさいよ……;;

 

 みよし殿が、テテテテテ、とか和歌の韻律を面白く教えてるところ、幼いながらもちゃんと興味もって聞いてる実朝がとても可愛かった。よかった。あの教えのほうがいいじゃん。韻律にのせて自然や心のままによみなされ、という、それが和歌でいいじゃん。宮廷で権威争いするために和歌やらなくていいじゃん;; まーそういう面はあるにせよ、ねえ。

 実朝の歌がとても良い、と正岡子規逆張りで見出したっていうのは知ってましたが、このように彼が歌に出会い、つくったのかと思うと、深いため息をついてしまいました……。実朝の歌、読もう……。

 

 そして昨日は、善児の最期でもありました。

 暗殺者としての勘が鈍っているのはもう示されていて。今回、小四郎は善児が兄を殺したと察したけれど、もう自分には善児を責められない、と、握りつぶすしかなくて。

 善児に頼家殺しを命じる。仕事だ、と命じられて、へい、と前と同じように答えるけれど、実際、暗殺の最中に一幡の文字を見て動揺、傷ついてしまう。暗殺をやり遂げたのはトウだった。

 

 頼家がしっかりちゃんと武士として強いのよかったし、以前なら密かに殺すしかしなかった善児が向き合って戦ってしまったのも良かったし。衰えた始末をトウがつけたのも良かったし。

 居合わせた太郎くんがやっぱ武芸ではいまいちで気絶しちゃってたのかわいい、悲しい。

 気が付いた時には、逃がしたかった頼家の死体を発見するわけで。泣くしかないんだよ。かつて小四郎くんが何度も流した苦しい涙を、太郎も味わう……。

 

 瀕死の善児にとどめを刺したのはトウだった。

 瀕死のところの介錯のようでもあった。けれど、父の敵、母の敵、という絞り出すような言葉も、本心。目の前で親を殺されて、その相手に育てられて。ずうっとずうっと憎しみを秘め、でもそれでも、育てられている日々の中には善児と平穏なときもあったのだろうと思う。善児がいちまんに情が沸いたの、絶対トウを育てた日々があったからだと思うんだよー。巡り巡って、トウに、殺されるの、その瞬間頷いた善児は、受け入れたんだろう。サイコパスな暗殺者じゃなくて、老いて人の心を持ってしまった暗殺者、善児。

 なんか修善寺、終・善児なのでは、という考察あったみたいで、みんなすごいよく気づくなあと感心。

 史実としての頼家の死のドラマと、無名、というかオリキャラの善児たちのドラマと、両方素晴らしくうまく仕上げられていて、すごく面白かったです;;

 

 

 頼家がほんと美しくて良くって、ダメ坊ちゃまだけどもし頼朝がもうしばらく生きて、すんなり跡継ぎとして引き継がれていたら、賢く良き子だった様もあって、もっとちゃんと良い鎌倉殿になったのでは、と思えるの、悲しくて良かった。

 演じた金子大地さん、すごく良かったなあ。

 

 

 かまコメのツイート、一部文字起こし。(ドラマ終わると消えると思うのでメモ)

 

源頼家の最期を演じて>

 大変でしたね。いろいろピーンと張ってた糸が最後切れたような気がして。
 本当は母上のことも別に、心の底から嫌いだったわけじゃないと思うし
 ほんとに、若いながらに生き抜いたと。あの鎌倉の時代を、て思いましたね。演じさせていただいて。難しいっすね(笑)
 毎回刺激的な撮影だったんで。今、ちょうど終わったばっかなんで整理がつかないんですけど。切ない、ほんとに切ない青年だったなって思いますね。それを演じて痛感しましたし。いろんな事にもまれながら、それでも最期まで、殺されるってわかってても最期まで突きとおした頼家はかっこいいなというか。肯定したいなと思いますね。

 

 

 前に泣きまくったところも良かったし、今回やさぐれてるのも良かったし、北条を憎みながら太郎とだけは友達なのもよかったし。美形坊主姿良かった。好き。最後撮影直後のコメント聞いて、そんな風に頼家に寄り添って、演じてたのすごい良い。

 「青年」っていうのすごく良くて。そうだよなあ。頼家、享年23歳だとか。青年だ。大人になることを断たれた青年なんだよなあ。素晴らしく演じてみせてくれてありがとうございました。

 

 次回はちょっとコミカルなのかな。一息いれてねってことだと思っていいのかなあ。楽しみです。