蛙の目借時

なんとなくなんでもなく

ごきげんよう

大河ドラマ「鎌倉殿の13人」、見ています

 

 大河ドラマ、毎週楽しく見ています。楽しく、う。楽しいって気持ちじゃいられないことばかりですがっ。
 昨日の15回「足固めの儀式」、凄かったですね……。

 最初は義経くんが張り切って義仲と戦するぞ~!って言ってて、ああもうこの子は。とまたハラハラしたものの、それは次回ってことですね。


 鎌倉。
 頼朝についていけぬ、と坂東武者たちが謀反の兆しありとのことで、義時小四郎くんは密かに上総介どのに、誘いにのってくれ、と頼んでいました。
 スパイですね。内通者ですね。誘いにのって抑えになって、やりすぎにならないように手綱を締める役割です。うまくいったと思った。上総介は坂東武者の信頼あって重鎮で。疑われなくて、バラバラだった武士をうまくまとめて方向づけていける。



 
 だから、きわどい所で危機回避。頼朝もお咎めなしにしようと言ったのに。
 なのに、このままで済ますわけにはいかぬとなって、誰か一人の首ということで。なんて言いだして、その首、上総介にしようということになった。
 
 小四郎くんのみならず視聴者全員が、なんで!!! どうして!!!! ってなるよねえ。上総介と酒くみかわし、これからもよろしく頼むとか言ったばかりじゃん! なんで! 上総介は小四郎くんに頼まれて内通のために坂東武者についたって、頼朝だってわかっているのに! 何で!? どうして!!??? どうして…………。

 頼朝の腹心? あの、大江だっけ。あの人が悪い気がするし、そしてやっぱり坂東武者よりそういうやつの方をとるんだなあ頼朝……。

 

小四郎が頼んだから! 行ったんだよ! 謀反のつもりなんか全然ないよ!

 強いからなんだよな……。手勢も一番多い。頼朝よりずっとうまく良く坂東武者たちをまとめられる。頼朝はいつ追い落とされるか不安で仕方ない。
 でも上総介は頼朝のこと武衛って、武衛って親友みたいな呼びかけだって教えられた嘘を嘘とも思わず素直に頼朝に味方する気持ちで武衛って呼んで、うまく武衛のために危機を乗り切ったなって安心して一緒に酒を飲んでたんだよ。なのに。なのに。頼朝てめええーーっ;;

 

小四郎くん、とめられなかった……。

佐藤浩市上総介、素敵かわいいおじさんすぎるんだよ;;

 凄かった。
 上総介を討つ場の緊迫感。小四郎くんは動けない。頼朝に反対したけれど頼朝がそうしたのもわかるってなってしまって。小四郎くんも頼朝の見方を身につけてきたのだなあ……。

 上総介を演じる佐藤浩市。かわいいおっさんをこれでもかと素晴らしく演じてきてるからさあ。大好きになってるんだよ。そして、また。最後の最期まで、魅力的おっさんだった。頼朝を見て、小四郎くんを見て、殺されていった。小四郎くんを責めずに、死んでいったよ……。


 死後、上総介の鎧から、起請文だかが発見されたと。へたな字で読めん、て頼朝は小四郎くんに渡す。むろん、謀反の思いなど全くなく、坂東のため、頼朝の大願成就のためにこれから三年でやることを書きつけてあった。
 頼朝の、一番大きな味方だったのに;;;;

 

 この、下手くそな字っていうのがねえ。
 ちょっと前に、小四郎くんが上総介のところへ言ったとき、書付見て、お孫さんの手習いですか? と聞いたら、上総介本人が文字練習中だったんですねー。
 武衛とともに都に行ったら、読み書きが出来ないと武衛に恥をかかせることになるからな。戦にあけくれていたから読み書き上手に出来ないおっさんが、こっそり字の練習してるんだよ。
 小四郎くんに見つかって、人にいったら殺す、とか言っちゃってんの。それを聞いて小四郎くんは、噴き出すのを抑え、にっこりして。小四郎くんも見てる私も、何このおじさんカワイイ~~いい人だな~~って、上総介のこと大好きになるよねえ。

 上総介、登場の頃こそ頼朝の決起を冷たく見てたけれど、頼朝と飲んだ時からなんかまあこいつに味方してやるか、って感じになって、仲間ってなって。仲間だと……そう思っていたのは上総介の方だけだったのかよ。頼朝は誰も信じない。信じられない。坂東武者は利用せねばならないが、好かれてはいないのだとつくづくと思っている。思い込みばかりでなくそれはそうなんだけど。
 でも上総介は頼朝の味方でいようって、ずっとそうだったのに。それなのにーっっっ。

 はあ。
 文字をさ、練習して、書き残したそれを知る、なんて上手いドラマ作りなのか;;
 最初の時に、小四郎くんがお孫さんの手習い、って言った言葉選びがまず最高なんだよね。幼子、カワイイ、無垢、みたいなイメージが上総介につく。下手くそな字だなって言うんじゃなくて、子どもみたいな、というイメージをつけておいてのギャップ萌えさせるでしょー。
 その印象を、死後にまた想起させるの。泣くよ。泣くやろ。泣くしかない。なんて上手いドラマ作り;;

一生懸命書いたんだよ;;


 
 佐藤浩市、ホント魅力的おじさんを演じて見せてくれた。みんな上総介大好きになって悼む。そして頼朝の非情さ、こわさ、ますます孤独になっていく様を見てゆくんだこれから。

 大泉洋のシリアス演技も最高です;; 上総介の書付を知った後、最後みなに背を向けて、あれは謀反人だ、と言うの。寂しすぎる。

 

 小四郎くん義時小栗旬もめちゃめちゃ良かった。小栗君の黒目勝ちの大きな目。最初けっこう少年期からだったんだよね。カワイイ顔~してたのが、どんどんシビアになってきていて。昨日の回ではすっかり冷えた目をするようになってた。上総介の死に涙ぼたぼた流して。頼りにして相談していた人を、殺させる場にいて、思わず立ち上がったけれど、実際に止めはしなかった。出来なかった。ガチ泣きしてたじゃん。頼朝のためにあちこちなんとかしてきたけれど、こうしてまた、小四郎くんは、どうすればいいのか考え込むようになるんだろう。

 

 私は正直あんま歴史詳しくもないしわかんないんだけれどさ。いいくにつくろー鎌倉幕府みたいなことしか覚えてないもん。(今、いいくに1192年じゃないらしいね?) わかんないけど。けど。ほんともう……。鎌倉武士のドラマ、じっくり見届けていきたいです。先行き知らないんで毎回新鮮に驚き泣いていくよ……。

 

 

 


 佐藤浩市さんの、収録終り直後インタビューがとても良くて納得だったので文字起こしメモ。NHKのドラマ公式ツイッター、終わったら消えてしまうから。

 

・文筆を稽古する広常について


佐藤:とにかく最初に、何か本筋とは全然関係のないところでキャラクターがちょっとこう見えるようなシーンがあったらいいねなんてことを監督たちと話をしていて、それをこう、三谷さんに振ってあがってきたシーンだったんでね。

どこか粗野な上総介がまったく童心のように、未来にたいする希望としてね、書いてる姿、やっている姿それが、もう。未来に対する希望なんですよ。それが無残に壊されてしまう悲しさもあるわけだけど。

実際のところ僕ら武士、もののふの生活なんてのは伝聞でしかわからない、伝聞と言ったってだって、残ったものでしかわからないわけだから正しいか正しくないかそういうことは別にして。何か、僕らの今の世界でも常に何か通じるものという、そういう風な、思いとして映ればいいかなというか。それはもう監督もね、重々わかってくれている中で、そういった思いをつくりたいと、そう思ってくださったと思うし、それはうまくできて。だから逆に言うと繋がってみるとものすごく悲しくなっているんじゃないかなと思います。

 

・広常の最期


佐藤:「何か俺が間違っていた部分があったかもしんねえ」っていう。決して広常という人はものすごい学のある人ではなかったにせよ、でも頭の悪い人ではないんですよ。非常に、戦のやり方もわかっている。人への食い込み方もわかっている。でも何かが俺が間違っていたのかっていう、それをふと思ったときに義時を見て、「お前は俺になるんじゃねえ」という思いがああいう笑顔になるんじゃないのかな。

 

 かっこいいなあ。上総介ほんと素敵だったなあ。ありがとう脚本も演出も;; いいものを見た。これからも楽しみです。

 義経くんがさー、も~~~。危なっかしいヒヤヒヤハラハラドキドキ、こわいもん。次回も、心して、見ます。