蛙の目借時

なんとなくなんでもなく

ごきげんよう

放り出される快楽

 

 今朝、昨日の疲れでなんだかだるだる~とまたツイッター廃人しておりました。ら。訃報が流れてきました。

 

 

www.kasumigasekikai.or.jp

 ↑ TLに流れてきて、読んだ、ちょっと昔の記事だけど。大使館勤務の時に会いましたとかすごいなあ。

 

  

 個人的メモとして私のル・カレって感じを書く。(おこがましくてごめん)

 

 ついこの前新刊出てたよね。私買ったまままだ読んでない。

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電書で買ってる。

 けれど、御年89歳。そうだよね、と思いました。

 今日の訃報ではあんまり動揺しなかったなと思って、漫画読んだりしたけど、じわじわと、喪失感というのか、あー私、ル・カレ好きだよな、と思ってちょっと泣いた。

 

 まだ全部読めてない、回想録とゆー『地下道の鳩』もある。

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これも電書でiPhoneに入れたまま。

 

 私がジョン・ル・カレを読みだしたのは遅くて、映画「裏切りのサーカス」きっかけです。2012年だった。

 新宿武蔵野館へ見に行ったと思う。なんとなく、スパイ映画か~。お、ゲイリー・オールドマン、と思って行きました。ふらっと行ったら、予想以上の混み混み。席がない。でも出かけて行ったので、まあ、うーん。見よう、と思って、最前列の端っこで見たのだった。

 シネコン映画館と違って、どの席でもスクリーンが見やすい、というところじゃなかったのでねえ。人の顔がわからない。私の認識能力も低すぎだし、ゲイリー・オールドマンしかわからなった。あの頃、コリン・ファースすら認識できてなかった。ベネたんがシャーロックの人だ、と気づいたのも帰って映画サイト見てからだった。トムハなんか多分名前も認識できてなかった。(いつのまにか私は洋画沼に……あの頃はまだまだ全然だった)

 で、何だこの映画全然わからないよそもそも誰が誰だかわからないよ……と呆然と映画館を出たのに、ものっすごい自分が好きそう、大好きそうだ、絶対好きだこの映画、でもマジ全然わからないよ……と思ったのでした。

 もう一回見に行く、と思ったものの、あまりにも話もわからんと思ったので、本を読もうと思いました。

 ググったね。ジョン・ル・カレかあ。原作、1975年とかじゃん。でも読もう。ル・カレね~、面白いよ若い頃読んだ~みたいなおすすめをネットでされた気がする。せっかくならル・カレを読もう。と。図書館で借りて翻訳出てて読めるル・カレのデビュー作『死者にかかってきた電話』から順に読んでいきました。

 『ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ』までたどり着いたものの。正直めっちゃ読みにくい。どれ読んでも読みにくい。

 そもそも翻訳出てるのも古い本だし、原著もそうなのか翻訳的にも難しいのか、むっちゃ読みにくかったなあ。

 でも読みました。面白かった、と、言えるほど読めてない気がするけど面白かった。

 それから、二回目の映画鑑賞。

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く~~~。かっこいいいいい~~~。

 原作も読んた上での二回目は、席もちゃんと見やすい席とったし、登場人物が誰、というのがわかったので、最初よりずっと見やすかったです。うわ~あの原作をこんなにもわかりやすい映画にしたなんて。むっちゃかっこよくなってるし。原作と変わってるところもあるけど。でもかっこいい。面白い。すごい。すごい面白いっ。

 私、大感激。

 

 映画に大満足の後、さらに本を読みました。スマイリー三部作とか言われてるらしく、この続きがあるのね、と思って。続き、といえば続きだけど、まあ、それぞれに単独でもある三部作を読み終えて、やっぱり読みにくかった……。

 でも私も読み慣れてきたし、原著の文章力の変化とかもあるのかもだけど、ぐいぐいいきました。映画みたのでビジュアル的なイメージもしやすくなった。

 スマイリー三部作の最後には、気持ちはすっかりスマイリーに寄り添っていたので、泣いた……。スマイリーは泣いてないけど私が勝手に泣いた……。大好き。

 あとギラムさんは映画より本のほうがずっとかっこいいので!! もえもえ的にも本読むのすごく楽しかった~。

 

 ル・カレを全部読もう! と、ちょっと意気込んでた時期もあったけど、なんせ読みにくい。すいすい一気読みとか私には出来ない。じわじわ読んでいこう、なんて思って、まだその後も全部読破はしていないです。

 読み始めた最初は、過去の作家かと思ったりした。ごめんなさい。全然そんなことなかった。新刊が出る~。ギラムさんのその後とか読めて幸せだったし。ずっと現役作家、元スパイ、でしたね。

 「裏切りのサーカス」きっかけで、知らなかった作家を知った、作品を読んでいって、素晴らしい映画化を見て、さらに作品を読んでいって、という、最高の読書体験をしたひとときだった。

 

 読みにくい、わかんない、と思いながら、ル・カレのを読むのが好きなのは、うまく言えない。本当に、途中読みながら私は何を読んでいるんだ……とわからなくなるの。でも読んでいくの。そうして文章の中に、登場人物に、よちよちついていって、あーどうなるのーと思っていたら、ぽいっと、突き放されるんだよ……。

 えっ。て思う。

 今まで歩いてきたの、崖だった、奈落への落とし穴の上だった、ってびっくりする。導かれてきた手が突然消えて終わる。放り出される。

 えっ。

 と、びっくりして、私は胸いっぱいになって呆然と泣いてたりする。

 そういう快楽の読書体験、ル・カレの味わいがあまりにも凄くて最高で、好きなんだ……。わかんないけど……。

 

 たくさんの作品を残してくれてありがとう。私はあなたの作品をまだまだ読み切っていなくて、これからも楽しみに読みます。

 

 

 ところで、今日大人買いして電書まとめてダウンロードしたのは『呪術廻戦』。

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先日アニメをなんとなく見たら、ドハマりしてしまい。原作にも手を出した。今13巻まで出てる。面白い。

 これもねー。

 えっ。

 と、愕然としちゃう転換展開の落差が凄くて参る。一気読みしそうだけど、ちょッと、待て。ゆっくり読もうと、してるところです。でも読んじゃうなー。

 フィクションて素晴らしい。大好きです。

 

 

 

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